ゴキブリという昆虫は多くの人々から忌み嫌われ、不潔なものとして扱われています。
そのため、ゴキブリホイホイは非常に重要な存在であり、その手軽さや捕獲力から多くの人々に愛用されています。
この記事では、アース製薬が製造する「ゴキブリホイホイ」について、そのこだわりや工夫を紹介します。
まずは、アース製薬のゴキブリホイホイが発売されてから今年で50年を迎えたということです。
その間、ゴキブリが入りやすくするなどの工夫を重ね、今もなお多くの人々に使われ続けています。
アース製薬は海外にも販路を広げ、兵庫県赤穂市の坂越工場で一括生産しています。
この工場では、虫の習性の研究所も併設されており、製品開発への飽くなき探求を続けています。
ゴキブリホイホイの一番の特徴は、その強力な粘着剤です。
粘着剤は30キログラムのドラム缶も持ち上げるほどの強力さを誇り、ゴキブリを確実に捕まえます。
また、誘引剤にも特別な材料を加えており、エビ、肉、野菜などにも劣らない誘力を発揮します。
しかしながら、詳しい中身は企業秘密とされており、公表されていません。
アース製薬のゴキブリホイホイは、1日約4万8千セットを生産し、年間の販売数量は約320万セットとなっています。
約30カ国にも輸出され、海外の販売比率は平成14年の8％から令和4年の約30％まで大きく伸びています。
このような需要に応えるため、坂越工場では昭和52年製の紙を折る機械2台が稼働しています。
古いタイプであるため、コンピューター制御はありませんが定期点検を確実にして使い続けることで、長期間にわたって製造を続けています。
品質管理にもこだわり
ゴキブリホイホイは、虫を誘引する誘引剤と強力な粘着剤が特徴の製品です。
そのため、製品の品質管理には非常にこだわっています。
製品は、製造ラインから出荷される前に、厳格な品質検査が行われます。
検査では、製品の機能性、外観、粘着力、誘引力などが評価され、製品の品質を保証します。
また、製品の品質向上に向けた研究開発にも注力しています。
坂越工場には、虫の習性を研究する専門の研究所が併設されており、虫の誘引剤の開発や粘着剤の強度向上に取り組んでいます。
さらに、製品の使い勝手を向上させるための改良にも取り組んでおり、例えば、製品に手を触れずに箱から取り出すことができるようにするなど、細かな改良を行っています。
大塚グループが創業家の大塚正富氏が社長に就任した昭和４０年代、同社は主力商品の炭酸マグネシウムの売り上げが低迷し、経営不振に陥っていた。
そこで、大塚氏は夏に聞こえてくるセミの鳴き声をきっかけに、高度成長で住宅開発が進む中で需要が増えていたゴキブリの捕獲器を開発することを思いついた。
最初の試作品は、粘着剤と餌を仕込んだ紙の箱で、捕獲後は捨てることができるというものだった。
しかし、実際に使用してみると、ゴキブリは粘着剤に触れることで危険を察知して逃走してしまうことが判明した。
そこで、ある社員の提案で、入り口に斜面をつくって上らせることで、触角が粘着剤に当たらないようにする方法が見つかった。
当初は「ゴキブラー」という名前で発売する予定だったが、「おどろおどろしくて売れない」という理由から、大塚氏が自ら「ごきぶりホイホイ」と名付け、ゴキブリを愛嬌のある姿で描いたデザインを手掛けたという。
このように、大塚グループは危機を乗り越えるために、試行錯誤を繰り返しながら新しい商品を開発し、ヒット商品を生み出した。
それが、家庭に欠かせないアイテムとなった「ごきぶりホイホイ」である。
この成功は、同社の経営を立て直すとともに、大塚グループが今日まで発展していくための重要な一歩となった。
ゴキブリの捕獲に着目したのは、高度成長期に住宅開発が進み、需要が増えていたためでした。
しかし、最初に試作した粘着剤を使ったホイホイは、ゴキブリが逃げることができることが判明しました。
しかし、社員の提案によって、斜面をつくることでゴキブリの触角が粘着剤に触れないように改良され、ゴキブリを捕まえることに成功しました。そして、デザインも重要視され、「ゴキブリを愛嬌のある姿で描く」という大塚正富氏のアイデアが採用され、商品名も「ごきぶりホイホイ」と命名されました。
この商品は、粘着シートをはがせば使える方式に改良され、足ふきマットも設置され、捕獲力が向上しました。
さらに、研究所ではゴキブリを含む約１００種類の害虫を飼育し、習性を研究して製品開発につなげていることが明らかになっています。
アース製薬は、研究から開発、生産まで各部門が一体になってヒット商品を育てた経験を生かし、今後も製品開発に注力していくことが期待されます。
また、このような試行錯誤を重ねる姿勢こそが、危機を乗り越えるための最良の方法であると言えます。
アース製薬のゴキブリホイホイは、試行錯誤と改良を重ねて、半世紀以上にわたり家庭に欠かせない存在となっています。
その成功の秘訣は、徹底した研究と開発にあることがわかりました。同社は、害虫に対する知識と技術を深め、研究成果を商品開発に反映することで、数々のヒット商品を生み出してきました。
今後も、同社が研究開発に力を注ぎ、より高度な製品を開発してくれることを期待したいと思います。
