義理チョコと言えばバレンタイン。
バレンタインと言えば好きな人に好意を伝えるための大切な行事であり乙女の一大イベントでした。
そこから派生した「義理チョコ文化」が実は日本独自の文化だと言うのはご存じでしょうか?
そもそもバレンタインに好きな男性にチョコを贈ることを提唱したのは、1936年に神戸モロゾフが英字新聞に公告を出した事が発祥と言われています。
そこから大手菓子メーカーの不二家・森永製菓といったチョコメーカーが販売促進のために打ち出した「バレンタインデー=女性が男性にチョコレートを贈る日」というイメージ戦略の結果、1950年頃には今の義理チョコ文化が日本で定着しました。
ですから、「バレンタインデーにチョコを贈る」こと自体が日本独自の文化と言えるわけですね。
バレンタインデーの由来
元々バレンタインデーの由来は西暦269年2月14日に処刑されたヴァレンティヌス司祭の逸話から派生しました。
初期はヴァレンティヌス司祭に祈りを捧げる日だったのが、14世紀に入り恋愛に結び付けられるイベントとしてスタートして世界に広まったとされています。
海外ではバレンタインにチョコレートよりも、花束やカード、お菓子などを恋人・家族・友人に贈ることが多く、やはり日本独自のバレンタイン文化と呼べるかと思います。
義理チョコ文化の終焉?
そんなバレンタインデーですが、長年日本文化として定着していた義理チョコにも変化が表れているようです。
今書いている時点で2023年2月8日になりますのでバレンタインまで残り1週間になりますね。
ということで14日は火曜日。
つまり平日です。
これまでならバレンタインが平日だと職場に配る用のバレンタインだったり、中にはこっそり学校に持って行くなどの需要がありました。
何を隠そう私自身が某お菓子メーカーの営業でもありますので市販品のお菓子需要や市場環境には敏感です。
その私から見た視点と肌感覚で言えば、既に「義理チョコ文化」は年々縮小していて、商機や販売戦略としては微妙と見ています。
10年前くらいまでは義理チョコだったり友チョコ(懐かしい!)なんかで売り場を盛り上げてるのをよく目にしました。
しかしながら、段々と下火になり今や「義理チョコ=面倒」に思われている筆頭になっています。
・わざわざ職場の人間関係のために自腹でチョコを買って配る
・役職によって気を使わなければならない
・余計な時間とお金がかかる
・女性同士でも色々
・どこまで配れば良いか分からない
・いらぬ勘違いをされる(受ける)
などの理由から、「チョコをあげない。」意見が8割にもなるという結果も出ています。
男性側からしても、
・お返しが大変
・何を返せば良いか正解がない
・そもそも要らない(私はもらえたら単純に嬉しいですが)
などの意見があるようですが、全体で60%が嬉しくないという結果になっていて、年代別に見ると40代が最も多く71%、逆に20代は過半数が嬉しいと答えています。
まぁ、女性からバレンタインにチョコを貰ってそれが例え義理であっても嬉しくない男性は少数派だと個人的には思うので40代はやっかみじゃないですかね(笑)
だって私が今40代前半ですが、妻からでも職場からでも貰えば普通に嬉しいですしお返しも面倒と言えばそうかも知れませんが日ごろの感謝の意味もあるので、そこまで捻くれた考えは持っていませんから。
個人的に言い切ってしまえば・・・
「好きにしたら良い」
というのが本音です。
結論!義理チョコじゃなくて良い
身も蓋もない言い方をすれば、義理チョコ文化自体が菓子業界のマーケティングでしかないわけで、最初は物珍しさや新しい流行として広まりはしたものの、行き過ぎた結果として飽きられただけじゃないかと思うのです。
市場原理からすれば、いつまでも引きずっていてはただの「押し付け」であり飽きられて当然なわけです。
あえて、お菓子に携わるからこそ言いますがもはや執着でしかありません。
それを裏付けるように、「バレンタイン全体の市場は12%増」というデータも出ています。
要するに需要が変化したってだけの話しです。
であればこそ、チョコメーカーはいつまでも義理チョコに拘らずに新しいバレンタインチョコ文化の創出に頭を捻るべきだったわけですね。
もちろん、それは分かっていて「手作りチョコ」路線にマーケティングの舵を切ったのがここ数年だったのですが、結局は義理チョコの枠から変わってません。
「義理チョコ疲れ」が大元なのにそれが「手作り」に名前が変わっただけですからね。
もっと目を向けるべきは、さっきのアンケート結果にもあったように男性であれば年代別に差異がある部分です。
元のニュース内容には女性の義理チョコ疲れによる「あげたくない」回答が20代で75%、それ以外でも80%を超えている点です。
今はもうすでに、「義理チョコ」自体が敬遠されてるってことですよね。
そして不要なのは義理チョコそのものではなく、マーケティングの押し付け。
何が嫌か?
その本質はここじゃないですかね?
・バレンタイン市場は伸びている
・義理チョコマーケティングはもうたくさん
この2つから見えるのは、
「心から自分の想いをチョコに託して渡したい。」
その本心だと思うのです。
恋人・家族・友人・お世話になった人・恩師などなど。
ちゃんと自分の気持ちを正面から純粋な想いで届けたい。
軽いノリのファッションバレンタインじゃなく、きちんとした形の本気バレンタイン。
今の世の中に求めているのって実はここじゃなかいと思っています。
大げさな話しに聞こえるかも知れませんがインターネットの発展からSNS時代において、人間関係が薄くて表面的な付き合いが増えた分、本質的にはもっと深い部分での繋がりを求めるのは本能だと感じています。
誰だって誰かを頼り誰かに寄り添いながら生きているわけで。
でも、、、
あれ?
書いていて気が付きましたけど、これって元々のバレンタインデー発祥の根っこですね(笑)
なんだ、結局は原点に帰っただけのことですね!
最初はヨーロッパで生まれたバレンタインが日本に入って変質し、新しいもの好きな国民柄と相まって広がった日本独自のバレンタイン文化。
その歴史の中には色々な事があったでしょう。
それがたまたま偶然「チョコを贈る」や「義理チョコ」が広く受け入れられて流行っただけのこと。
それなら今後だって新しい文化が生まれる可能性だってあります。
いつまでも過去の流行に縋って押し付けるよりも、新しい楽しみを求めているんだと思いますよ!
チョコメーカーさん
よろしくお願いします!!